Videoの実験室

ビデオのストリーミング配信ができるようになれば良いのですが、配信用サーバーソフトが必要です。一般的なホスティング会社に間借りしているサーバーでは、それらのソフトを組み込むことができません。
ここでは、ストリーミングではない方法でどんなことができるか、何が問題かを実験しました。


◇Flashビデオの実験

ブロードバンドが盛んになったとは言え、ビデオのデータは大きいのでダウンロードで待たされることになります。
先ず、擬似ストリーミングが可能というFlashに取り込んだビデオでは、どのような問題が発生するか実験します。
DVDのデータからいくつかのシーンを40秒にまとめたデータ(320×240)が元です。
粗い画面
56Kモデムで見られる程度のビデオデータとしてオーサリングしたファイルをFlashに読み込みました。 フレームレートは10fps、swfファイルのデータサイズは約3.5MBです。
中間の画面
デュアルISDN(128Kbps)で見られる程度のビデオデータとしてオーサリングしたファイルをFlashに読み込みました。 フレームレートは30fps、swfファイルのデータサイズは約21MBです。
普通の画像
DSLで見られる程度のビデオデータとしてオーサリングしたファイルをFlashに読み込みました。 フレームレートは30fps、swfファイルのデータサイズは27MBです。
私の環境(ADSL8Mbps、実行速度3Mbps程度)では、「粗い画面」は問題なく再生できました。「中間の画面」は引っかかりながらの再生で、「普通の画面」では最初に待たされ、再生速度はかなり遅くなりました。
なお、データはPCにキャッシュされますので、2回目からは問題なく再生されます。
画面の粗さでは、普通の画面以外は用途に適さないと思われます。

以下の例は、「普通の画面」のレートを半分に落としてみました。
レートを落とした画面
普通の画面のフレームレートを15fpsにしました。swfファイルのデータサイズは約15MBです。
最後の方で引っかかってしまいましたが、我慢できる範囲です。
実行速度1Mbps程度のユーザを考慮して、2〜3割程度の「Now Loading」を入れたほうがスマートでしょう。

Now Loading 付き画面
レートを落とした画面に3割の「Now Loading」を入れました。swfファイルのデータサイズは約15MBです。
ムービーのコントロールを追加します。
また、ウィンドウサイズをムービーの大きさに合わせて開くように修正します。

ムービーコントロール追加
ムービーを30秒まで短くしました。それでもデータサイズが約11MBと大きいのが気にかかります。これで完成とします。
新ムービーコントロール
Flashをバージョンアップしました。新しいコーディック方式の確認をするために同じビデオデータで作ってみました。約1.5MBと劇的に小さくなりました。

◇Media Player の実験

上記の実験で、「普通の画面」程度の解像度は必要と思われます。
元データはwmvファイルなので Media Player がインストールされている機種であれば直接表示することができます。

元データ: test2.wmv ←クリックすると Media Player で見ることができます。

さらにwebページに組み込んでみました。
これならFlashの実験で示したのと同じように表示できます。コントロールボタンが付いて、合計サイズはFlashの場合の1/6になります。
Media Player を組み込んだ画面
「普通の画面」の元ファイルを Media Player で表示しました。データサイズは約2.3MBです。

◇QuickTime Player の実験

私はWindowsなのですが、MAC では Media Player をインストールされている方は少ないと聞いています。
そこで、QuickTime Player で見られるようにmovファイルで書き出してみたのですが、「普通の画面」と同じ解像度になるように書き出すとなんと34MBものサイズになってしまうのです。
wmvファイルの2.3MBと比較しても大きすぎます。何か間違いでもあるのでしょうか?(調査の必要あり)
QuickTime Player を組み込んだ画面
movファイルを QuickTime Player で表示しました。データサイズは約34MBです。

◇考察

長編のビデオではストリーミング配信技術が必要ですが、1分以内の超短編ビデオではダウンロード方式でもさほどのストレスは無いでしょう。
上記いずれの方法でも、擬似ストリーミング(ダウンロードしながら表示)ができるようですので、ブロードバンドが一般的になってきた現在ではストリーミングしなくても問題無いでしょう。(回線の混雑状況によってはだいぶ待たされることもあるが・・・)

データファイルのサイズは Media Player が最も小さく待ち時間も気になりませんが、インストールしているMACユーザが少ないそうなので最適とはいえません。
WindowsユーザかMacユーザかを判断して自動的に切り替える方法もありますが、wmvファイルとmovファイルの両方をアップロードしなければなりませんので、サーバー容量の問題が発生します。

この実験の結論としては、ファイルサイズの点で難色はありますが、Windows、Mac の両方で見られるFlashビデオが良いと思われます。
なんと言っても Flash Player は、ほとんどの機種にインストールされているので、クライアントを意識せずに作り込めるのが何よりです。
ただし、ブロードバンド(1Mbps以上)ユーザに限定いたします。


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